COLUMN

2020年3月、出会い

始まりは「アートで障がい者の就労支援」という表題の新聞記事※。

記事は、軽井沢のアトリエにて障がい者が描いた絵を、一般市場で流通しうるデザインとして制作・販売することで、彼らの社会参加や就労を支援する活動をおこなっている、という内容でした。

まず衝撃を受けたのは「障がい者」という言葉使い。「害」ではなく「がい」。これまで、当たり前のように「障害者」という文字を使っていた自分自身の無意識を見透かされたような一文字でした。

くわえて、そのアトリエ「ラッタ・ラッタル」では障がい者の人達を「クリエイター」と呼び、お世話をする人達を「アトリエリスタ」と呼んでいる。些細な違いかもしれませんが、呼び名からも互いに尊敬の念がこめらているように感じられました。

ここは他の障がい者施設や支援活動とは違う。

記事を読み返すうち次第に「訪問したい」という気待ちが高まり、年明け3月にラッタラッタルを訪れたのでした。

アトリエがあったのは、浅間山から吹き下ろす風が心地よい、素晴らしい環境の中。そこで、アートディレクターを務める須長、塚元の両氏はじめ、素晴らしいクリエイター達に出会いました。


ラッタラッタルでは、アトリエリスタがクリエイターに寄り添い、それぞれの様子をうかがいながら時に声をかけ、ともに作品を作り上げていく。その姿は、決してクリエイターに創作を無理強いすることも、急かすこともなく、あくまでもその個性を引き伸ばすべく、アトリエリスタがサポートに徹するというもの。そんな環境の中で、どのクリエイターも生き生きと、創作に向きあっている。

この光景に感激し、始動したのが「クリエイター達と創るやさしいカレープロジェクト」なのです。(つづく)

※日経MJ 2019年12月9日より